祖谷の蔓橋

(概要)
 祖谷の蔓橋(いやのかずらばし)は、徳島県三好市の秘境・祖谷渓に架かるつり橋で、日本三奇橋の一つに数えられる。シラクチカズラという丈夫な植物の蔓を編んで造られた原始的な構造が特徴で、平家落人が追手から逃れる際、いつでも切り落とせるようにしたという伝説が語り継がれている。現在の橋は安全のためワイヤーで補強されているが、見た目は昔ながらの姿を保ち、三年ごとに架け替えが行われる。
 長さ約45メートル、幅約2メートル、水面からの高さは約14メートルあり、足元の木の踏み板の隙間から祖谷川の清流が見える。渡ると大きく揺れ、ぎしぎしと音を立てるため、スリル満点である一方、周囲の深い山と川の景色が旅人に強い印象を残す。新緑の春、深い緑の夏、紅葉の秋、雪景色の冬と四季ごとの表情も豊かで、特に秋の紅葉期には多くの観光客が訪れる。
 橋の周辺には琵琶の滝や祖谷渓の展望台、かずら橋夢舞台などが整備され、郷土料理の祖谷そばやでこまわしを味わえる。夜間や季節行事の際にはライトアップも行われ、昼とは違う幻想的な雰囲気を見せる。険しい地形に守られてきた祖谷地方の文化や暮らしを体感できる場所である。
 祖谷の蔓橋は、近代的な橋とは対照的に、人と自然が寄り添ってきた歴史を象徴する。素朴な材料と伝統技術で成り立つ姿は、日本の原風景を思わせ、渡る人に畏れと安らぎを同時に与える。秘境の谷を結ぶこの橋は、先人の知恵と物語を今に伝える貴重な文化遺産として守り続けられている。
(アクセス)
 車では、高知・徳島方面から徳島自動車道井川池田ICを出て、約25kmで40分程です。香川・愛媛方面から高知自動車道 大豊ICを出て、1時間程です。駐車場はかずら橋夢舞台駐車場か有料の蔓橋観光駐車場にあります。バス便はJR大歩危駅とJR阿波池田駅からあります。Map


 
 
 

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