(概要)
ポンテ・マセイラ(Ponte Maceira)は、スペイン・ガリシア州ア・コルーニャ県のネグレイラ近郊にある中世起源の石橋で、サンティアゴ巡礼路の一支路「フィニステレの道」を象徴する景観として名高い。タンブレ川に架かる五連アーチの橋で、基礎はローマ時代にさかのぼるともいわれ、現在の姿は13~14世紀に再建されたものと考えられている。苔むした花崗岩のアーチがゆるやかな曲線を描き、周囲の森と水面に溶け込む情景は、ガリシアでも屈指の美しさと称される。
橋のたもとには水車小屋や礼拝堂、伝統的な石造民家が点在し、小さな集落全体が時を止めたような雰囲気を保つ。かつて巡礼者はここで川を渡り、サンティアゴからさらに西の“地の果て”フィニステレ岬を目指した。伝説によれば、聖ヤコブの弟子たちが遺体を運ぶ際、この地で奇跡的に敵の追跡を逃れたとも語られ、橋は信仰の物語とも結び付いている。
タンブレ川は水量が豊かで、夏には浅瀬で水浴びを楽しむ人も多い。アーチの下を流れる緑色の水と古い水車の景色は絵画のようで、写真家や画家に愛されてきた。近年は車の通行を制限し、歩行者中心の保存が進められている。
ポンテ・マセイラは、単なる歴史的構造物ではなく、巡礼文化とガリシアの自然が交差する“生きた風景”である。石に刻まれた年月の手触りは、海へ向かう旅人の心を静かに励まし、サンティアゴの先に広がるもう一つの巡礼世界へと誘っている。
(アクセス)
サンティアゴ・バスターミナル発のMonbus社のNegreira行きバスに40分程乗り、ネグレイラ中心で下車してそこから約3kmで徒歩45分程です。➠ Map

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