(概要)
Ponte Romana e Medieval(ローマ・中世橋/ポンテ・デ・リマ)は、ポルトガル北部ミーニョ地方の町ポンテ・デ・リマを象徴する石橋で、リマ川をまたいで旧市街と対岸を結ぶ。名称が示すとおり、ローマ時代の橋を基礎に中世に拡張された複合的構造をもち、イベリア半島でも特に保存状態の良い歴史橋の一つである。
最初の橋は紀元1世紀頃、ローマ街道ブラカラ・アウグスタ(現ブラガ)とアストゥリカ(現アストルガ)を結ぶ交通の要として築かれた。12~14世紀にかけて町の発展とともに大規模な増築が行われ、現在見られる30連を超える半円アーチの長大な姿となった。花崗岩を積み上げた堅牢な橋脚には水切りが設けられ、増水の激しいリマ川の流れに耐える工夫が読み取れる。
中世には市門や防衛塔が付属し、橋は交易と徴税の拠点でもあった。サンティアゴ巡礼路ポルトガルの道の重要地点であり、無数の巡礼者がこの橋を渡って北へ向かった。川辺には「忘却の川」と呼ばれた古い伝説が残り、ローマ兵が故郷を忘れると恐れて渡河をためらったという物語が町の名の由来を彩る。
今日、橋は歩行者中心の歴史空間として整備され、毎年開催される中世祭や市場の舞台となる。アーチが水面に映る夕景は格別で、対岸の並木道や旧市街の家並みと調和した詩的な風景をつくる。Ponte Romana e Medievalは、ローマの技術と中世都市の記憶を一身に宿し、ポンテ・デ・リマの時間を静かに語り続ける“石の年代記”である。
(アクセス)
ポルト(Porto)の Campo 24 de Agostoバスターミナル発のバスに乗り、終点 Ponte de Limaに下車して徒歩10分程です。その他ブラガ(Braga)から直行バス、ビーゴ(スペイン)から国際バスがあります。➠ Map

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